子育てとデザイナーの心得

トラクターに乗る我が娘PH

ある休日の夜中、4歳になる娘が目を覚ましたらしく寝られないのか、もんぞりかえっていました。

それに気付いた私が眠い目をこすりながら娘に聞いてみました「ケガしたところが痛いのか?」と。実はその日、娘はコンクリートの地面の上で転んでしまい、生涯初めて流血の擦り傷をしていたのです。キズ自体はたいしたこともなく、消毒もして腫れてもいないので問題ないと思っていたのですが、手のひらとひざ小僧にばんそうこうを貼られました。娘にとっては結構ショックだったのか、ちょっとした事でもすごく痛がり、寝る前も痛がって泣いていたので私は少し気になっていたのです。

しかし、そう聞く私に娘は疲れた顔して「違う」と首を振るのです…。じゃあ暑くて寝られないのかと聞くとそれも「違う」と言います。眠くてイライラした私はそのままほっといて寝てしまおうかと思いましたが、ふと思いついて、娘に聞いてみました…「ひょっとしてオシッコか?」娘はしっかりと「ウン」と頷きました。私は大急ぎで娘をトイレに連れて行き、よく我慢したなと娘の頭をなでてやりました。娘は安心したように、布団に入るとすうっと寝息をたてて寝てしまったのです。

私も布団に入りながら我ながらよく「オシッコ」だと気が付けたなぁと考えていました。昼間のケガの事があったので、真っ先にそのことを考えてしまったのです、「違う」と首を振られたときは「え〜何でだよ」と。その「ケガ」をした『先入観』にとらわれていたので、「オシッコ」というごくありふれた理由にたどり着くまで時間がかかってしまったのですね。おもらしされる前によく気が付けたと、ほんとホッとしました(笑)。

デザイナーとしての仕事でも、この『先入観』というものが正解にたどり着くまでの邪魔をすることが多々あります。デザイナーの『先入観』やクライアントの『先入観』、その案件に関わる人の『先入観』。『先入観』=『正解』ということも無くはないのですが、多くはその『正解』にたどり着かないまま終わってしまっているのかもしれません。先入観にとらわれないことは無理かもしれませんが、とらわれすぎずに相手の必要とすることを考えてやることが子育てにも仕事にも大事なんだなぁと、

ふと考えた夜でした。