iMac (27-inch, Mid 2010)の、SSDへの交換手順

前回の記事でも予告した、iMac27インチ(Mid2010)のSSDへの交換手順となります。
(3ヶ月以上も開いてしまいましたが…汗)

発売されて相当の年月の経つiMacで、同じようにSSDの交換手順を公開されている方が多数いらっしゃいますので今さら感が満載ですが(笑)。なにとぞお付き合いいただければと思います。

また分解する前にいろいろと準備するものがあったり特殊工具が必要になったりしますが、どれもアマゾンやホームセンターで手に入りやすいものばかりです。ただ、前の記事にも記載しましたが、Appleの保証は効かなくなりますので、この記事を参考にして実行される方は、あくまでも自己責任でお願いいたします。

事前の準備(購入物)

SSD

まずはメインのSSD。最初は250MBクラスのSSDを増設するカタチにして、HDDとのハイブリッドであるFusion Drive として構築しようかと考えていましたが(ターミナルの処理でFusion Drive化が可能だそうです。参考)いろいろ調べているうちに、Fusion Driveではパーテーションを切る際、SSD & HDDの領域のあるパーテーションと、HDDのみのパーテーションに分かれてしまうとのこと。

これはMacOSの新バージョンをインストールする場合は上書きではなく、交互のパーテーションに新規インストールしてきた自分の使い方には合わない(OSによってはHDDのみの状態になるため)に却下。思いきって1TBのSSDを購入してパーテーションを500MB×2として使用することにしました。

というわけで価格ドットコムなどで容量と価格のバランスで検討した結果こちらのSSDになりました。 3万円を超える価格ですが、i-Mac買い替えるより安い(涙)と自分を納得させ、Amazonにて購入。

MX300SSD
Crucial [Micron製] 内蔵SSD 2.5インチ MX300 1TB ¥34,979(Amazonn)

システムファイルのインストール

OSのインストール

私はSSDを取付ける前に、今使っているMac OS X 11(El Capitan)をSSDに起動ディスクとして構築してから作業をしました。2.5インチHDD対応のHDDケースがあると、iMacに取付ける前に、OSをインストールしておくことができます。

取付けてしまってからインストールにあわてないよう、事前に対応を考えておきましょう(笑)

その他工具、パーツ

i-MacなどMacの分解は、通常の+ードライバーではなく、星形の形状(ヘクスローブ)をしたトルクスドライバーが必要となります。iMacの場合はT10、T8のサイズが必要でした。これは近所のホームセンターで購入。

他にもホコリを吹き飛ばすエアダスター(ホームセンター)、それと5kg対応の吸盤式フックを100均ショップにて購入。

吸盤とエアダスター

後は机を片づけて分解用のスペースの確保と、ホコリを掃除するため掃除機を用意。これにてひと通りの準備が完了しました。

2.5インチ→3.5インチの変換ブラケット

またこれは作業途中に必要になって急遽購入したのですが、SSDを固定するための2.5インチ→3.5インチの変換ブラケット(マウンターケース)が必要になります。

その他の準備として

  • 大きな布
  • すべり止め付きの手袋
  • 液晶パネルを支える何か(500mlのペットボトルや木づちやドライバーなど)

があると作業が楽になります。

iMacの分解

それではいよいよiMac分解の手順になります。まずは机の周りを片づけましょう(笑)。

フロントパネル、液晶パネルの取り外し

机とMacの傷防止の為、布を敷いてその上にiMacを横倒しにします。前面のガラスパネルはマグネットでくっついているだけですので、100均で買った吸盤をiMac上部に貼り付け、引っぱり上げると簡単に外すことができます。(写真をとるのを忘れました(汗))作業をする前には手袋などを履いてガラスパネルに指紋をつけないよう気を付けて取り扱います。

次に液晶モニターを取り外します。

iMac液晶分解

液晶画面に傷や指紋を付けないよう注意しながら、左右8箇所あるT10サイズのネジをトルクスドライバーで取り外します。液晶周りにあるマグネットにくっついたりしますが、無くさないよう注意します。

ネジをとり外したら、写真手前側(iMac上部側)より隅から手を入れて液晶パネルを起こします。基板とコネクターが接続されていますので、一気に持ち上げず、そーっと持ち上げましょう。

そこそこ重量のある液晶パネルを持ち上げた状態でコネクターを外していかないといけないので、何かつっかえ棒で液晶パネルを支えても良いかと思います。(私は500mlのオレンジーナのペットボトルで支えました。炭酸系のペットボトルが頑丈で良いかと思います。)

内部オレンジーナ固定

基板との接続コネクターの取り外し

まずは液晶を取り外した写真から、基板のどこに接続されているかを説明します。

iMac基板

写真手前から❶〜❹の4箇所にコネクターが接続されていますので、コードをちぎらないよう注意しながら手やピンセット(あるいはマイナスドライバー)などで端子から取り外します。

接続端子を外したら、液晶パネルを取り外します。

ハードディスクの取り外し、温度センサー対策

HDD(ハードディスク)を固定している側面のネジをT8サイズドライバーで取り外し、HDDを持ち上げてSATAの電源・SATA通信ケーブル・特殊センサー(温度センサー)のケーブル類を取り外します。HDD奥側の固定はネジタボで差し込んであるだけですのでそのまま抜くことができます。このネジタボは取り付ける際HDD固定ケースに移し替えます。

内部HDD説明

こちらはHDDを取り外した状態の写真です。発売当時のアップル純正仕様のHDDには独自の温度センサー端子がありまして(いまでもあるのかな?)、ここからHDDの温度を検出し、冷却ファンの回転速度を設定しています。その為、通常の市販HDDやSSDを使うと、ファンが全力全開で回ってしまう現象が発生しまうので対策が必要となります。

iMac-HDD無し状態

というわけでいろいろ対策を調べてみた結果、アナクロではありますが温度センサーのコネクターにクリップをブッ指した方法を採用。(参考:iMacのHDDをSSD化する方法とFANの爆音対策)こちらがその写真。

温度センサーのクリップ

少しピンボケですが、コードが接続されている側の穴にゼムクリップを差し込んであるだけです。現在のところSSD化したiMacをひと夏使用してもファンは廻っていません。つまり効果はあったのでしょう。

SSDの取付

SSDを設置した状態

それではいよいよSSDの取付になります。分解する前は3.5inchHDDは箱かケースのようなマウンターを介して接続されているかと考えていたのですが、実際中を空けてみると、まさに直止めでした…。というわけで2.5inchSSDにはネジが届くわけでもなく、急遽2.5インチ→3.5インチの変換ブラケット(マウンターケース)を買いに行ってきました。

SSDを変換ブラケットに取り受ければ、各コネクターをSSDに接続し、HDDよりタボネジを移し替えてiMacへ取付します。

SSD取付状態

iMacの組立

SSDを取付けし、配線を確認したら組立と逆の順序で元に戻していきます。特に液晶パネルの取付けとコネクターの接続は、注意しながら進めてください。SSDを取付けたことでつい油断しがちですが、不注意で液晶に傷や指紋を付けないよう、手袋をはめて作業することをお薦めします。

コネクターをはめて、液晶パネルを固定し、前面のガラスパネルを取付ければ完了です。

あとがき

この作業でiMacをSSD化して早3ヶ月、今のところ快適にサクサクと動いてくれています。前回記事の後、OSもMac OS 12(Sierra)に入れ替えてからホントに起動も速くなりました。しかしCPUの速度に依存するAdobeソフトの処理関係の作業はそれなりに時間はかかっています。とはいえ起動・ファイルのアクセスの速度は間違いなく快適になりましたので、これで後10年(?)は戦えるでしょう(笑)